「家、ついて行ってイイですか?」がおもしろい
新年早々、2014年最大のヒット作かもしれないテレビ番組に出会いました。
番組HPより
この番組は終電を逃した人にタクシー代をあげる代わりに、「家に連れて行ってください」とお願いし、家を見せてもらうだけの番組です。
まさにこれだけ。なのにおもしろい。フォーマットは「YOUは何しに日本へ?」に近いかな。終電を逃して泣く泣くタクシーで帰りをするときに誰もが感じるタクシー代の痛みに対して、「タクシー代を払うから家に入れて」というお願いの天秤がまず見事。
昨日のOAでも一見ギャルなのに家ではしっかりものの彼女がいるカップルだったり、街ではウェーイと盛り上がっていたけれど、家の中には誘惑に弱い自分を戒める名言を壁中に貼り付けている男性だったり、様々な「普通の人」が登場していた。
繁華街での酔っぱらいノリ→タクシーの車内で自身のことをぽつりぽつりと語りだす→生活感に塗れた家の中で、将来や幸せを聴くインタビューという流れがその人のギャップを引き出し、深い人生模様を映し出す。
大木「なんかさ、“何もない”って言いながらもさ、やっぱり行ってみたら何かあるね」矢作「あるね。何もないってことはないんだね、人の人生に」 @家、ついて行ってイイですか?
— ゴードン (@Gordon006) 2014, 1月 20
もう、まさにコレ。そしてこの手触りはNHKの「ドキュメント72時間」に通ずるものがあるなぁと。「ドキュメント72時間」では特定の場所を三日間取材し続け、そこに訪れる人へのインタビューを通して、人生の断片が見えてくるという番組。*1
普通の人でも「何もない」なんてことはない。生きていくことのおもしろさと奥深さを感じさせてくれる、ただのバラエティにしておくにはもったいない、とってもいい番組。
モニター部分の収録をスタジオではなく一般の人のお宅にお邪魔して、普通に家主がモニターしながら感想を話すのもおもしろい。特におばあちゃんが登場する時の一言一言に、いちいち深みがあってこれもまたよい。
残念ながら一ヶ月間のレギュラー放送で、来週で最終回とのこと。すでに昨日の時点で撮れ高が足りなくなったのか蛭子さんが終電後の新宿〜三鷹を歩く企画を放送していたように(これはこれでおもしろかったw)、家に上げてもらうOKをもらうのも一苦労だろうなぁと思うけれど、改編期ごと、とかでもいいので、ぜひ定期的に放送してほしいなぁ。
*1:時々違う切り口のものもあるけれど