訳なんてない

たまに書いてみます

「心が叫びたがってるんだ」とクラスルームが持つ機能

見たのは先週の日曜日。渋谷の夕方の回は見た感じ満員。



全然オタっぽさのない人多数。ライトにアニメ「も」観る人(自分もだいたいそうだ)にとって見やすい作品なのだとは思う。

そして狙い通り、一般層の視聴にも十分に耐える良い青春映画だったと思う。描き込まれた街の景色や萌えに寄り過ぎないキャラクター造形。少しドロッとした生々しさや「あの花」と同じく「それ、やっちゃあかんやろ」という衝動的な行動を織り込みつつ、全体としては王道なストーリー。そして何より音楽がいい。音楽の映画というのももちろんあるのだろうけど。さすがミトさん。ちなみにエンディングテーマが乃木坂46であることに批判的な意見も多いけど、個人的には結構テーマ曲と映画、合ってるんじゃないかなーと思いました。

こんな青春送れなかったおじさんからするとまぶしすぎる作品でもある「ここさけ」。話が動き出すきっかけは「ふれあい交流会」という地域の高齢者くらいしか集まらない微妙な行事で、半ば強引に実行委員として主人公たちが任命されたこと。少し内容から離れると、改めて「学校」とその「クラス」が生み出す正の機能を考えさせられた気がする。「クラス」ってあまりにも強固な存在で、昨今ではクラス内の島宇宙化もどんどん進み、さらにいじめの問題を見るに「もうなくしたほうがいいんじゃないか」と言われることもあるし、多くの部分で頷くのだけど、クラスがあるから絶対に交わらない人種との交流が少なからず生まれるのだなと改めて思う。DTM研究会とチアリーディング部が交わることは「クラス」がなければないのだろう。最初白けきっていたクラスがあれほどに団結してミュージカルに取り組む、というのはひとつのファンタジーだと思うのだが、多かれ少なかれ、似た経験は多くの人にあるだろう。思えばそれが他者理解の一つの方法なのかな、などと。まぁ、運動会のピラミッドもその教育手法のひとつなのかなーと思うとちょっとアレなのだけど。

「心が叫びたがってるんだ。」オリジナルサウンドトラック

「心が叫びたがってるんだ。」オリジナルサウンドトラック