訳なんてない

たまに書いてみます

今日の映画-そして父になる

代休を取った月曜日。

「そして父になる」を鑑賞。

(ややネタバレあり)

 

 

「誰も知らない」以来、是枝作品が好きなんです。

今回も子どもを取り替えられた二組の親子という深刻な状況にもかかわらず、その悲しみを時にユーモアも交えながら努めて抑制的に描いていました。

子どもがいる人はより感情移入できるだろうなぁ。

 

この作品は、もう「そして父になる」というタイトルがすべてだなと。

福山雅治演じる主人公は、決して悪い父親、というわけではない。エリートサラリーマンとして仕事や出世も大事にし、教育にはお金をかける。しかしながら、きちんと子どもから向き合っていたわけではなかった。そのことに、「取り違え」という悲劇を経て気づいた。でも、この悲劇がなければそのうち、取り返しのつかないことになっていたかもしれない。もしかしたら、主人公にとってもこの悲劇は、子どもに語りかけたように「ミッション」だったのかもしれない。

うーん、これじゃオシムさんの言う「戦争が起きたことで良いこともあった、と言ったら、その戦争を肯定することになってしまう」という理論と真逆になってしまうので、あんまりそれで良かったね、という結論にはしたくないのですが。

 

あと、ちょっと気になったのは、二組の親子の対照的な状況がややステレオタイプなこと。「エリートで金持ちだけど子どもに向き合っていない」福山パパと「割とろくでなしで貧乏だけど子どもには真剣に向き合っている」リリー・フランキーパパの対比がちょっとわかりやすすぎるかなーと。そしてリリーパパのあり方が正しい、という描かれ方(に見える)なんだけど、あの育て方がよいかと言ったら、決してそんなこともないと思うし、同じような時間を取るのは福山パパの状況では不可能だろうとも。

その中でどう子どもと接するか、ということが大事なんだろうけどね。。

 

なかなか子どもを育てる、というテーマは今の自分の状況では考えるハードルが高いwいい映画だったのは間違いないです。